友人の大切な裂(きれ)を預かって、ノーカラーコートを作りました。
縫い上がった服を見て、友人はとても喜んでくれました。
たまらなく嬉しい。
型紙
型紙は、近所に住む知人(正確には私の母の友人)に作ってもらいました。
体型や希望に合わせて型紙を作るのが一番難しいです。私にはできません。
その型紙をもとに、失敗してもいい布で試作コートを作りました。
破れた布団カバー、「何かに使えるかも」ととっておいてよかったです。
友人に布団カバーコートを試着してもらった後、知人宅にて型紙の調整です。
袖を長くして、襟ぐりを少し広げてもらいました。
コートの相談に行ったら、いつも美味しいコーヒーとチョコレートを出してくれます。母の友人だけれど、私は勝手に27歳年上の“ミシン友達”だと思っている。いや、友達はおこがましいな。ミシンのお師匠やな。
自宅にて、いよいよ型紙を裂に合わせます。
布を断つ
この裂は“表装裂”と呼ばれる、表具に使う絹製品だそうです。
ハリと光沢がある綺麗な裂です。
できれば前身頃と後ろ身頃の柄合わせをしたいので慎重に型紙の位置を決めていきます。5メートルの裂の中で、ギリギリ柄あわせをすることができました。
裏地は鮮やかな水色をチョイス。表地のちょうちょうの刺繍の色です。お師匠と一緒に江坂の大塚屋へ買いに行きました。裏地を扱うのは不慣れなので、つるつるしてやりにくいですが、必死に型紙通り切り取りました。
表生地に接着芯を貼ったところです。
後ろ身頃背中縫い合わせ
縫っているうちにどんどんずれてくるので、柄をバチっと合わせるのが難しい…!
ずれています。これはほどいて、縫い直しです。
裏地を縫う
裏地が形になってきました。
表地を縫う
続いて表地の肩を縫い合わせます。
そして首周り。
ひっくり返すと、こう!
縫い目がバシッと合ってホッとしました。
ロングベストみたいになった。
袖をつけると、それっぽくなってきた〜!
表と裏を合体
裾部分以外、表と裏を縫い合わせます。
お師匠にもろたカタン糸で縫うていきます。
切りっぱなしになっていた表地と裏地の裾を処理。
初めて編んだ糸ループで裏地の裾を、表地にくっつけます。
くっついた裏地をペロリとめくったところです。
最後は難関の千鳥がけ。
む、難しい!
完成
ついに完成しました。
裂を預かってから3ヶ月。
魂込めて作りました。仕上がって本当によかった…!